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Work実績紹介

かみす防災アリーナ

  • 建築主

    茨城県神栖市

  • 所在地

    茨城県神栖市

  • 竣 工

    2019/03

  • 階 数

    地下1階・地上2階

  • 延床面積

    20,145㎡

  • 受 賞

    グッドデザイン賞(2019)/いばらきデザインセレクション選定(2019)/ウッドデザイン賞 奨励賞(2019)/SDA賞 銀賞・審査員特別賞(2019)/照明普及賞(2020)/インテリアプランニングアワード 入選(2020)/D&AD賞 入選(2020)/IAUD国際デザイン賞 銀賞(非常時配慮デザイン部門)(2020)/環境設備デザイン賞 入選(2020)

  • 構造

    S造

「もしも」のときも「いつも」のところへ。PFI事業による本計画は、茨城県神栖市にスポーツ・文化を通じて市民の新たな交流の場を生み出し、災害時には1万人収容可能な防災施設となる。市民が愛着を持ち、新たな活動拠点として日常的に集い・賑わうことが、災害時の助け合いに繋がることを目指した。

デザインのポイント
1.市民が活動を「する」「みる」「みせる」ことで、スポーツと文化をつなぎ新たな出会いと交流を生み出す。
2.広い間口の縁側空間により公園と内外一体となり公園機能を補完する、市民が集う憩いの場を生み出す。
3.施設内に出会い、活動する場を各所に設ける事で、平常時のふれ合いが災害時の助け合いに繋がる施設となる。

デザインが生まれた理由
自然災害が頻発する今日、災害時の避難所は住民にとって地域コミュニティの結節点となる重要な拠点となっている。今までの大規模公共施設は、災害時結果的に避難所に転用されることはあったが、当初から転用を想定した計画はなされておらず、平常時の準備不足による混乱が生じている状況であった。そこでは、平常時の地域コミュニティの形成が不可欠となる。本計画は平常時から地域コミュニティ形成、住民の自発性を促すきっかけとなる施設を目指した。その平常時の賑わいが、災害時の助け合いに繋げられないかとの思いから本計画は生まれた。

デザインを実現した経緯とその成果
防災機能を備えた「神栖中央公園」の中に位置する本計画は、公園のアクティビティを取り込みつつ公園側に賑わいをあふれ出させることを意図している。 公園に対するインターフェイスである「コミュニケーションコリドー」は、施設内の各用途の結節点でもあり、可動家具や植栽により様々な人々の居場所となる。
また、メインアリーナのアーチトラスとコリドーの屋根架構には県産材杉の集成材で構成された木鋼ハイブリッド材を採用。木材利用により、平常時災害時共に安心感を与える落ち着きのある空間とし、公園の緑や木との繋がりを強め、公園との一体感をより高めた。またそれらは昨今の公共施設における木材利用促進にも合致する。 その他災害時の利用転換(プール水の活用、雨水貯留槽を緊急排水槽へ等)を考慮した計画とした。

デザインの改良、競合・類似デザインとの差異について
今までの公共施設の中には、単なるハコモノと化し賑わいのない施設もあった。本計画はスポーツと文化という異なる用途を並列させ、幅170mのワンプレートにおさめることで様々な居場所を生み出した。「する」「みる」「みられる」の仕掛けづくりによって偶発的な出会いを喚起し、ユーザーの新しい活動や分野への参加を促すことを目指した。
コリドー内の全ての家具には車輪が付けられ、その時々によって使い方をカスタマイズできると共に、平常時のコミュニティ形成、災害時の避難所としての機能を補完する。 また、今までの公共施設にはあまり見られないホテルライクな照明とすることで、市民が居心地良く過ごせる環境を生み出した。それは省エネ効果もありPFI事業の考えと一致したものである。
計画段階から防災施設となることを想定しているため、運営・維持管理、学術的な知見も盛り込み実状に沿った避難マニュアル作成も行っている。

撮影:中山保寛写真事務所 中山保寛

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