知財訴訟やビジネス関連裁判に特化した日本初となる「ビジネス・コート」として、複雑化するビジネス関係の裁判に対応する部署を集約し、適正迅速な裁判の実現を目的として計画されました。
　敷地は中目黒駅から目黒川沿いを進んだ閑静な住宅街に位置しています。目黒川に面して公開広場、周囲の道路沿いには歩道状空地を設えるとともに、敷地内の桜やイチョウなどの既存樹をできる限り多く保存することで、目黒川周辺の緑豊かな景観との調和を図りました。
　外観は、目黒川に向けた正面はガラスと木調ルーバーを主体とすることで、ビジネス・コートにふさわしいスマートさを体現するデザインとしてしています。一方で住宅地に面する長手方向は、水平性を基調とした構成とするとともに、柱や間柱によって長い壁面を適度に分節しました。
　外壁タイルは、地域の街並みの重要な要素である桜並木をモチーフとした明るい色彩とし、上階に行くにつれて色彩が明るくなるグラデーション効果を持たせることによって、上層部の圧迫感を和らげる工夫を行いました。
　法廷はビジネス・コートにふさわしいモノトーンで洗練されたイメージとする一方、共用部は明るい色調を基本とし、桜をモチーフとした内部サインなどぬくもりを感じさせる計画としています。